余力があれば漫画に描き起こしたい(やらないフラグ)


右っぽいひとは―ああ、そういう意見なんだな…

answer


ぼんやりとしていた。
空想の中にでてくる自分はいつもそうだった。
他の個性<キャラクター>達はキラキラと輝きながら所狭しと走り回っているのに
自分だけは何故か、隔離された色の褪せた部屋にいた。


薄汚れたボロをまとい
髪はぼさぼさで
せいぜい4畳半ぐらいの、
とても、小さな独房。
そう、入口には鉄格子がかかっていて
「自分」はただ、ぼんやりとその部屋の天井を見つめている。
壊そうと思えばできたし、簡単に外に出れるはずなのに
何故かそうしなかった。


「いつまでそんな所にいるんだ、早く出てきなさい」
頭上から声が降ってくる。
―誰が。
「誰がここへ閉じ込めた…?」
呪うような形相で声をかけた当人…決して顔は見えない―いや、本当は見ようとしていないのだが―人物に吐きかけた。
「誰が私を、こうさせた?!」
顔の見えない人物はとても訝しげな顔をしている。
「…貴様が勝手に閉じこもったのだろう? それを”我々”の所為にするのはおこがましいと思わんかね」
「………」
言葉が続かない。
自分が言葉を続ける気がないととったのだろう、顔の見えない人物は蔑むような目で一瞥し、そのまま歩み去っていった。


「―…」
檻の向こう側を見つめる、ただぼんやりと
「わかっているんだ、自分からここに入ったのは」
「わかって、いるんだ」

「―理由が欲しいのか」
物影から、20年来―物質的にはその半分程度だが―付き添ってきた相棒が自分に語りかけてくる。
「いいや、」
「正直、別にどうでもいい。」
―誰かのせいにして逃げられるわけでも、自分が変わるわけでもないのだから
「なら、何故出ない」
「……めんどくさいから」
そう、全ては。
「別に、不自由じゃないんだよね」
「俺は絵さえ描ければ、後の事はどうだっていい」
「わざわざ隔離してくれてるなんざ、」
「まさに、ここが私の”理想郷”なんだよ。」
そう、思っている自分が
「ここに、縛りつけてる…?」
「……」
「……」
沈黙が続く。
「―なんか楽しい事ねぇ?」
「Σ切り替え早っ!!! なんだ突然!」
「こう、思わず外に出たくなるような何かがさ、…向こう側に待ってんの?」
「ああ、そういうことか」
相棒が軽く失笑し、呆れたように首を振る。
「そういう物は自分の足で、外に出て探しにいくもんだ ―そうだろう?」
「ですよねー(笑)」
独房に、小さな笑い声がこだました。

体験談ってのは立ち直ってからでないと描けないもんなんだなぁ。 まだ立ち直ってないけどww